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AWSとは?活用事例と代表的なサービスを紹介

AWSとは、Amazon Web Servicesの略であり、アマゾンが提供するクラウドサービスです。
パソコンひとつで大容量のストレージやサーバー、高速データベースを必要な分だけ利用できる、便利なサービスです。

アマゾンが提供するクラウドサービス

クラウドを使ったAWSの特徴をご紹介します。

AWSの概要

AWSはクラウドで100以上のコンピューティングサービスを提供しています。
ここで提供される機能とは、サーバーやストレージ、ソフトウェアやネットワーク、データベースなどです。
これらをクラウドに設置することで、インターネットさえあれば誰でも利用できる状況を実現しています。

自社にサーバーを設置・管理する、従来の運用方法を「オンプレミス」といいます。
オンプレミスでは、サーバーの購入・管理・設置場所の確保などのように、手間や時間が必要です。
一方でクラウドなら、管理の手間がかからず、スピーディにサーバーの利用を開始できます。

AWSの強み①シェア率が高い

AWSはクラウドサービスとしてのシェアも高く、世界中で利用されています。
シンガポールに拠点を置く、マーケティングリサーチ会社のcanalysは、2021年度第4四半期のクラウドインフラ市場の調査結果を発表しました。この調査によると、世界全体におけるクラウドインフラ市場のシェアトップはアマゾンのAWSで、総支出の33%を占めていることが分かります。
以下に、具体的なシェア率と特長を簡単にまとめました。

■他のクラウドサービスとの比較

サービス名シェア率特長
AWS33%値下げキャンペーンが豊富にある
専任の日本語サポートが充実している
Microsoft Azure22%オンプレミス環境と連携しやすい
Google Cloud9%Googleの他ツールと連携しやすい 
その他36%

出典:Canalys Newsroom 「 Global cloud services spend exceeds US$50 billion in Q4 2021

AWSの強み②最適なパフォーマンス

AWSはクラウドサービスの先駆けであり、15年以上の運用実績があります。
その間、サーバーやストレージサービスだけではなく、AIや機械学習、分析やIoTなどのサービスを展開し、多くの機能を実装してきました。
この長年蓄積されたノウハウにより、最適なパフォーマンスを実現しているのです。

AWSの強み③専任のパートナーより導入支援を受けられる

AWSの導入を検討したい企業は、AWSを熟知したAPNパートナーからのサポートが受けられます。

APN(AWSパートナーネットワーク)と呼ばれる、AWSが展開しているパートナープログラムがあり、厳正な審査を通過しないと登録できません。

そのため、パートナーにサポートを依頼することで、クラウドサービスの導入をよりスムーズに行う事ができます。

VarealはAWS セレクトティア サービスパートナーです。

AWSができること

AWSができることは多岐にわたります。

・仮想サーバーの利用
・Webサイト運用
・IoTソリューションの活用
・ビッグデータの分析
・画像や動画のコンテンツ配信
・AI、機械学習機能の活用
・データベース運用
・システム開発環境の構築

上記以外にも、機能の組み合わせ次第でさまざまな利用方法があります。
ビジネスアイディアの具現化や問題点の解決を、AWSで実現しましょう。

AWSを使うメリット

AWSが多くの企業に選ばれている理由を、メリットを軸にご紹介します。

セキュリティが強固である

AWSのセキュリティレベルは、非常に高い状態を維持しています。それは、政府や軍隊、金融機関や医療機関など、高いセキュリティレベルが求められる案件にも対応するためです。
AWSであれば、常に最新の状態になるよう、AWSの運営側で管理・運用してくれています。そのため、利用者側がセキュリティの心配をする必要はありません。

サービスの種類が充実している

「AWSができること」でもご紹介した通り、AWSにはさまざまな利用方法があります。なぜなら、サービスの種類やサービスに実装された機能が豊富であれば、利用者のさまざまなニーズに応えられるためです。機能が充実していれば、速く・手軽に・高性能なサービスを構築でき、企業経営において高い費用対効果を期待できます。

サービスの可変性が高い

多くのサービスを提供するAWSは、企業の状況に応じて利用したいサービスや容量を柔軟に選べます。たとえば、新しいプロジェクトの立ち上げ時に、サーバーの容量を拡張してアクセスの集中に備えることも可能です。逆に、閑散期には容量やサービスを減らし、費用の削減につなげられます。

初期費用が無料なので導入しやすい

AWSの初期費用は無料で、導入時にまとまった費用がかかりません。AWSにおける利用料金の多くは従量課金制で、利用した時間・通信量などに応じて利用料を払う仕組みです。突発的なプロジェクトの発生にあわせて、最適なタイミングで機能を追加し、その分だけ利用料金を支払うことも可能です。したがって、導入の費用を抑えつつ、必要な分だけサービスを利用できます。

リスクの分散ができる

AWSは世界中のデータセンターにサーバーを分散させています。
そのため、大規模災害やシステム障害に対するリスクの分散が可能です。詳しくは以下のとおりです。

  • 複数の電力供給設備から電力を個別に入手できる設備
  • 障害が発生すると、サーバーが別のデータセンターに自動で分散され、負荷を軽減する仕組み
  • データセンターは、災害リスクが比較的少ない場所に設置

AWSを導入することで、自前でサーバーを設置するオンプレミスの運用では得られないメリットを享受できます。

最新のテクノロジーに対応している

AWSは、最新のテクノロジーに対応するため、アップデートを常に繰り返しています。そのため利用者は、時間や開発費用をかけずに最新のテクノロジーに対応したサービスを利用できるのです。
実際、AWS の最新情報をみると、ほぼ毎日のように新着情報が更新されていることが分かります。自社の開発費用を抑えたいときや、サービスの提供スピードを早めたいときには、
AWSはおすすめのツールといえます。

ハードウェアを最新に保てる

AWSでは、運営側がサーバーのアップデートを定期的に行っています。そのため、運営者は手間や費用をかけずに最新の状態で使用が可能です。
オンプレミスの場合、サーバーの管理・メンテナンスには莫大な費用と人的リソースがさかれます。また、オンプレミスの場合、サーバーのメンテナンスがあるとエンドユーザーの利用を一時的に止めないといけません。
AWSであれば、面倒な管理や運営の手間をすべて任せられます。そのため、最新のサービスをコストパフォーマンス高く利用できるというメリットがあります。

AWSの代表的なサービス

AWSの代表的なサービスをご紹介します。サービスは数多くあるため、自社の困りごとの解決や、アイディアの実現に役立つサービスが見つかるはずです。

Amazon EC2|仮想サーバー

さらに、Amazon EC2を利用すれば、Webサイトの運営においてサーバーの負荷を気にする必要がありません。なぜなら、運営するWebサイトの情報量・アクセス数に応じて、容量を変更できるためです。
たとえば、キャンペーンや急なアクセス集中によるサーバーダウンを防げます。

Amazon S3|ストレージ

Amazon S3は、AWSで提供されるオンラインストレージサービスです。
具体的にいうと、インターネットに接続すれば、クラウドに保管したデータをどこからでも呼び出せます。料金形態は利用した容量だけ料金がかかる従量課金制です。
また、保管できる容量にも制限がないため、ストレージの残量を気にせず利用できます。

さらに、Amazon S3は強固な耐久性をもっています。保管しているデータは3つのデータセンターに自動で複製されるため、データが消失する可能性を最小限に抑えられます。
活用方法は幅広く、データのバックアップや、Webサイト・アプリケーションの保管などがあります。

AWS Lambda|サーバーレス

AWS Lambdaは、サーバーを介さずに自動でコードを実行する仕組みです。
通常は、サーバーを使ってトリガーとなるアクションを監視し、特定のアクションを検知してコードを実行していました。

Lambdaはサーバーの助けが不要で、トリガーを自身で設定し、自動でコードを実行します。
サーバーの運用にかかる費用がかからず、処理が実行された時間のみを課金対象とします。
そのうえ、月間100万件のリクエストまでは無料です。つまり単純計算でも、月間100万PVのWebサイトまでならば対応可能ということです。したがって、Lambdaを利用すれば、大幅な費用削減が実現できます。

AWS Fargate|コンテナ向けサーバーレス

AWS Fargateは、コンテナ(パッケージ化されたアプリケーション)向けのサーバーレス環境です。コンテナ実行環境を構築する上で、ホストマシンの管理が不要になります。インフラ担当者を用意しなくても、素早く環境構築を整えられることが利点です。

Amazon RDS|リレーショナルデータベース

Amazon RDSは、マネージド型のリレーショナルデータベースです。
マネージド型とは、管理やパッチ適用をAWSの運営側が行うことを指します。
リレーショナルデータベースとは、表形式のデータベースです。主に大量の顧客情報を管理する際に利用されます。

Amazon RDSを利用すれば、利用者は必要な時にデータベースを作成するだけで済むため、管理の負担を減らせます。
Amazon RDSでは、OracleやMySQL、SQL Serve、PostgreSQLなどのさまざまなデータベースが簡単に利用できるサービスです。 主要なデータベースが用意されているため、既存データの移行もスムーズです。

Amazon Aurora|リレーショナルデータベースのオプション

Amazon Auroraは、Amazon RDS内で選択できる、AWS独自のリレーショナルデータベースです。バックアップやリカバリーが速く、RDS内にある他のリレーショナルデータベースとは異なる機能を備えた高性能なサービスです。

Amazon CloudFront|コンテンツ配信

コンテンツを簡単に配信できる仕組みがAmazon CloudFrontです。
動画や画像、データやアプリケーションなどのコンテンツを、AWSを使って高速かつ安全に配信できます。アクセス制御や暗号化技術で高度なセキュリティを実現しています。サイバー攻撃に強いサービスです。

Amazon SageMaker|機械学習

機械学習に必要なモデルの構築、トレーニング、本番移管などをスムーズに進められます。また、マネージド型のサービスのため、サーバーの管理やシステム障害の対応が不要です。

Amazon SageMakerが他の機械学習サービスと異なる主な点としては以下があります。

・事前の最適化により推論費用を75%削減できる
・ペタバイト規模の機械学習ができる
・他のサービスと比べて最大10倍のパフォーマンスでアルゴリズムを実行できる

AWS Elastic Beanstalk|コンピューティング

AWS Elastic Beanstalkを利用すると、WebアプリケーションをAWS上で簡単に構築できます。利用者はコードを書き込むだけで、必要なインフラ整備や管理をElastic Beanstalkに任せられます。アプリ開発の生産性を格段にあげられるサービスです。

Amazon SQS|アプリケーション統合

Amazon SQSは、アプリケーション間の情報を、お互いの状態に影響されずに受け渡しができるサービスです。他のAWSのサービスとも簡単に連携でき、暗号化された情報を確実に転送します。たとえば、ECサイトの在庫管理や、チャット機能などデータベースの受け渡しを伴う意図で用いられます。

AWSのクラウドサービス活用事例

国内企業におけるAWSのクラウドサービス活用例をご紹介します。あわせて、弊社がAWSの導入を支援した事例をご紹介しています。

急速な需要増にAWSを活用|出前館

フードデリバリーの分野で活躍する株式会社出前館は、コロナ禍による急激な需要増により事業の拡大を進める必要がありました。
しかし、従来のオンプレミスではシステムの拡張が難しく、注文が増えるタイミングでサービスが停止することもあり、大きな機会損失につながっていました。そこで、管理・運用に手間のかからない、AWSを導入しています。
AWSを利用開始してからは、キャンペーンや天候による受注増にも対応できるようになり、システム障害に対応する負荷も減らせています。

参考:AWS 導入事例:株式会社出前館

AIとAWSを活用してコスト削減|ニチガス

総合エネルギー事業を展開している日本瓦斯株式会社(ニチガス)は、フルクラウド化を打ち出しています。
世界最大規模となる、LPガスハブ充填基地を神奈川県に開設し、LPガス託送事業を開始しました。この基地では、製造・充填・在庫・配送・需要などのデータを収集し、AIを活用して最適なタイミングを導き出して作業を行っています。
また、需要予測のため100万台のIoT検針デバイスが設置されています。これらの膨大なデータを蓄積するプラットフォームとして、AWSが採用されています。

参考:AWS 導入事例:日本瓦斯株式会社

【弊社事例】AIを活用した字幕機能の開発|AI Index

顧客が運用しているウェブセミナーサービスに、AIを活用して字幕を追加するプロジェクトを実施しました。
AWSのElastic BeanstalkとSQSを利用して、AIエンジンから字幕の書き起こしと翻訳結果を取得します。そのデータをFargateを使ってアプリケーションサーバに送信し、Auroraに字幕データを保存しました。
これにより、ウェブセミナーにリアルタイムで字幕を表示できるようになり、ユーザーの満足度が上がりました。

AWS利用上の注意点

AWSは非常に魅力あるサービスですが注意点も存在します。下記で詳しくご説明します。

利用料の管理が難しい

定額制のサービスであれば、毎月の請求額が一定になるため、予算管理は簡単です。
しかし、従量課金制のAWSは請求内容が確定するまで、月々の費用を確定できません。
使いたいだけ利用できる分、利用状況を管理する必要があります。

運用には専門の担当が必要

AWSサービスの導入・運用において、AWSの運営によるサポートはありません。
代わりに、前述したAWSのAPNパートナーからサポートを受けるとよいでしょう。
数多くのサービスからふさわしいサービスを選び、複数のサービスを組み合わせて利用するには、相応のノウハウと経験をもつ担当者を見つけることが重要です。
システム運営上のトラブルにも対応できる、信頼のおけるAPNパートナーを探しましょう。

AWSの仕様にあわせる必要がある

サービスを手軽に利用できるAWSですが、基本の仕様は変えられません。
ハードウェアの細かい調整やオプションの追加はできないため、導入前の確認が必要です。
必要な要件を事前に洗い出しておきましょう。
また、メンテナンス日にはAWSが一時的に停止されるため、対応方法を決めておく必要があります。

AWSを活用してアイディアを実現しよう

AWSの強力なサーバーを活用して、突発的な需要にも耐えうる新しいサービスを展開しませんか。あるいは多様なサービスを組み合わせて、今までの業務を快適で画期的な業務に変えることも可能です。
利用するタイミングやサービスを効果的に選べば、大幅な費用削減も期待できます。

Varealは、APN(AWSパートナーネットワーク)において、AWS セレクトティア サービスパートナーに認定されました。豊富な経験とノウハウを元に、AWSを活用したシステムの導入をサポートさせていただきますので、Varealまでぜひお問い合わせください。


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