Rubyは、分かりやすいコードと豊富なライブラリを持つ、生産性の高いプログラミング言語です。また、RubyにはRuby on Railsと呼ばれる、応用範囲の広いフレームワークがあります。
Ruby on Railsは、効率よくシステムを構築できるフレームワークとして、エンジニアに大変人気があります。
Rubyは現在、さまざまなサービスに利用されているプログラミング言語です。この記事では、Rubyが実現しているサービス事例を元に、Rubyの開発アイディアをご紹介します。
開発言語にRubyを選ぶ理由
Rubyは、Windows・macOS・Linuxなどのさまざまな環境で動作可能な、汎用性の高いプログラミング言語です。必要なプログラムを組み合わせて利用したり、後から部分的に利用できます。
開発に必要なライブラリが豊富にそろっている
Rubyはシンプルで開発しやすいコードで、仕様変更に対応しやすく、短い期間で開発できます。日本で開発された言語であり、海外だけでなく国内のコミュニティも活発です。そのため、開発に必要なライブラリが豊富にそろっています。
たとえば、ユーザー認証機能やお問い合わせフォームなど、Webページに必要な機能は、ライブラリを使って簡単に実装できます。コミュニティによるライブラリのアップデートも盛んに行われているため、効率よく開発を進められることが特徴です。このように、Rubyを使えば、スピード感のある開発が可能です。
大手・スタートアップともに採用されている
スタートアップ企業やベンチャー企業では、ビジネススピードが重視されるため、Rubyの採用率は高くなっています。なぜなら、Rubyの豊富なライブラリから必要な内容を選んで組み合わせることで、オリジナルのコードを書くよりも手間を格段に減らせるためです。
それだけでなく、近年は大手企業のWebサービスにもRubyが採用されています。大手企業が積極的にコミュニティへ参加し、Rubyを活性化させていることもあり、今後の成長が期待できる言語です。
Rubyでできること・開発アイデアを事例から紹介
現在、広く知られているサービスには、Rubyで開発されたものが数多くあります。これらの企業はなぜ、開発言語にRubyを採用したのでしょうか。事例とともに、Ruby採用の理由や開発アイディアをご紹介します。
受発注の検索サイト|CrowdWorks
CrowdWorksは、働きたい個人と企業を結ぶクラウドソーシングサイトです。
開発当初は、個人が企業と契約を結ぶハードルは高く、市場のニーズが掴みきれていませんでした。そのため、「開発スピードが早いこと」「ニーズに合わせて柔軟に変更できること」などの観点から、Rubyを開発言語に選んでいます。
ライブラリを上手に活用し、オリジナルのコードを極力減らしています。これは、ユーザーの声に素早く反応し、変化し続けるために有効な手段です。また、社員が使う顧客管理システムや社内ツールにもRubyを採用し、煩雑な管理業務を効率的にまとめる仕組みづくりができています。
CrowdWorksは開発から10年ほど経ったサービスです。それでも、システムの脆弱性に関する不安は少ないといいます。なぜなら、Rubyはバージョンアップによるメンテナンスが定期的に行われているからです。
Rubyは学びやすい言語で、専門的な知識がなくても使いこなせます。そのため、エンジニアチームが増員した際も、特別なトレーニングを必要としないのです。
クラウド会計ソフト|freee
freeeは、中小企業や個人事業主向けに作られたクラウド会計ソフトです。
従来の会計ソフトとの違いは、インターネット上ですべての処理を完結することを目的としているところです。具体的には、サービスや製品の販売、決済までをすべてインターネット上で行うビジネスに関しては、その後の会計処理を仕訳も含めて自動化してくれます。販売後にデータを加工して、会計ソフトに再入力する手間を省ける画期的な会計ソフトです。
インターネットを使ったサービスの立ち上げには、スピード感が重要です。そのため、必要最低限の機能を提供し、顧客のフィードバックにあわせて小さな改良を進めていくことを目指したそうです。Rubyには、会計ソフトに必要なライブラリが数多く存在しています。そのため、ベータ版リリースから4か月の早さで、サービス開始が可能となったのです。
サービス拡大後は、システムの肥大化により開発に手戻りや遅延が増えました。その対策として、アプリケーションを分割して連携をとる方法に変更しています。例えば、ユーザー認証機能や課金機能など、他のサービスと共有できる機能は切り離して稼働させました。また、HTTP通信を使って内部API経由でやりとりする仕組みに変えたことで、アプリケーションごとの機能がシンプルになり、開発しやすくなったそうです。
グルメの口コミサイト|食べログ
食べログは、レストラン情報や口コミが見られるグルメ情報サイトです。
実際にレストランを利用したユーザーからのレビューを元に、お店の満足度や信頼度をはかるお手伝いをしています。レビューのほかに、お店の雰囲気が分かる写真や料理の写真、メニューの写真などが投稿されています。どこにいてもスムーズにお店選びができるサイトです。
食べログは、ユーザーニーズにいち早く応えるため、運営側と意見交換ができるコミュニティをサービス開始当初から設置しています。その際、ユーザー数増加への対応や改善スピードを加速させるために、開始から2年目の2007年に、システムをRuby on Railsにリニューアルしました。
Rubyの採用により、従来のシステムと比べてコード量が大幅に減りました。さらに、システムとデザインを分業化して、効率化をはかっています。その他、オープンソースフレームワークを利用することで、運営外部の技術者ともつながれるようになりました。つながった外部の技術者と意見交換を行うことで、システムの活性化が今後期待できます。
通販サイト等の提供サービス|楽天株式会社
楽天株式会社は、提供するサービスの開発フレームワークとして、2007年3月からRubyを活用しています。
楽天ではこれまでも、PHPやMySQLなどのオープンソース技術を採用してきた実績がありました。当時Rubyは人気上昇中の言語で、Ruby on Railsに興味を持つ楽天エンジニアが増えていました。この頃、Ruby開発者であるまつもとゆきひろ氏とのディスカッションが行われたことがきっかけとなり、Rubyを採用することになりました。
2007年12月に「my Rakuten」をRubyでリニューアルしました。このときの工数は従来よりも3割削減できたといいます。「my Rakuten」は、会員が自分専用のページを作れるサービスです。ユーザーのブックマークや閲覧履歴、おすすめ商品などを集約して表示します。おすすめ商品の表示には、膨大なトランザクションが発生します。Rubyは、大規模処理にも対応できる言語といえます。
【弊社事例】チケット販売サイト|XFLAG TICKET
XFLAG TICKETは、株式会社ミクシィの運営するチケット販売サイトです。
ミクシィは「XFLAG PARK」というゲームや音楽などを交えたLIVEエンターテインメントイベントを毎年夏に開催しています。これらのチケットの購入や抽選、譲渡などの仕組みを持つサービスが、XFLAG TICKETです。
Varealは、このXFLAG TICKETのプロジェクトに参加する形で、開発支援をさせていただきました。毎日定例のリモートミーティングを行い、コミュニケーションを密にとることで、協力体制を効率よく構築することができました。
ミクシィがRubyを選んだ理由
Rubyのコミュニティは大きく、情報が拾いやすいため、さまざまな変更・修正がスピーディだったことが選定の決め手となりました。
実際、Railsは規約に従った構成で開発ができるため、構成に悩むことなく進められ、迅速な開発につながったと感じています。また、機能追加などの要望は絶えずありましたが、迅速に対応できたように思います。テストが書きやすいこともあり、変更してもデグレを起こしにくいといったメリットもありました。
また、デバッグのやりやすさも大きな要因です。加えて、モンストのサーバサイドがRubyだったこともありました。当時ミクシィ社内でも知見がたまっていたため、チケットサイトも自然とRubyでの開発となりました。また、XFLAG TICKET独自の仕様として、モンストの顧客基盤とサービスを連携させる目的がありました。そこで、既存のチケット販売サービスではその連携が難しいため、Rubyでの独自開発を選択しました。
また実装には、認証系やテスト用のライブラリを利用しています。Ruby・Railsはこのあたりのライブラリが豊富に揃っており開発する上で助かりました。
- 運用コスト面でのメリット:主なクラウドサービスでRubyのサポートが手厚い
- 運用管理面でのメリット:運用に必要な処理をrakeタスクとして自動化することが容易
Rubyを用いた開発依頼における企業の選び方
Rubyを用いたサービス構築を依頼する際に、どのような基準で開発会社を選べばよいのでしょうか。ここでは、システム開発を依頼する際のポイントをご紹介します。
得意分野を実績から見る
開発会社を選ぶ際には、いくつか注目した方がよい項目があります。そのうち、開発会社の技量を測る指標が、開発実績です。
実績が多いほど、経験豊富であることが分かります。また、自社と同じ業界の開発実績が多ければ、業界の事情に精通していると判断することができます。
たとえばECサイトを依頼するなら、「Rubyを用いたECサイトの制作実績がどの程度あるのか」「Rubyでどのような機能を構築したのか」を確認しましょう。ホームページで実績を確認することもできますし、具体的に知りたいことがあれば、電話や問い合わせフォームで質問することもできます。
開発メンバーのスキルを確認する
開発メンバーのスキルも重要です。特に、スピード感を求めることが多いRubyの開発では、臨機応変に対応できる能力が求められます。たとえば、Rubyはもちろん、フロントエンド、バックエンドともに現場経験があるフルスタックエンジニアがいると心強いでしょう。
また、システム開発には、依頼者と開発者の間に認識のずれが生じることがあります。そうなると、希望どおりのシステムは完成しません。開発会社の担当者は、コミュニケーション能力が高く、意思疎通がスムーズにできる人を選びましょう。
Ruby開発以外の対応も含めて一貫して依頼できる
Rubyによるシステム開発のほかに、すべてを一貫して依頼できる開発会社を選びましょう。たとえば、Webサービスの場合、Ruby以外にも以下のような項目が挙げられます。
・HTMLのコーディング
・CSSによるレイアウトの調整
・フロントエンドとバックエンドの調整
・外部データとの連携
上記の項目を開発会社に任せることで、依頼の負荷を軽減できます。このように、開発依頼からリリースまでのすべての工程において、問題なく進められる開発会社がおすすめです。
料金相場を確認する
開発会社に依頼する際は、料金相場を確認しましょう。数社から見積を取ると、適切な料金相場を把握できます。
では、システム開発費は、どのように決まるのでしょうか。具体的には、人件費と諸経費で成り立っており、人件費がその大部分を占めます。なお、人件費は人数と単価と日数で増減します。さらに開発にかかる日数は、サービスの内容やカスタマイズの度合いによってさまざまに変動します。
前述のとおり開発会社の得意領域の差で、開発にかかる日数が異なることがあります。たとえ低価格であっても、開発目的を達成できなければ意味がありません。サービスの目的に沿った内容のなかから、適切な料金の会社を選びましょう。
Rubyを用いた開発依頼ならVareal
Varealには、Rubyを用いたさまざまなシステム開発の実績があります。特に、弊社のメンバーは全員Rubyの開発ができるエンジニアで構成されています。
また、フロントエンドからバックエンドまでフルスタックで対応できるエンジニアが数多く在籍しております。お見積もりからコンサルティング、開発・保守・運用まで一貫してご提供いたします。
Rubyでのシステム開発をご検討中であれば、ぜひVarealまでご相談ください。
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