Webシステムをリリースした後、システムの安定化のために定期的に発生するシステムのバージョンアップに対応することが必要です。
今回はシステムのバージョンアップについて解説いたします。
ブログ作成者紹介
氏名:Y・Y
所属:営業部
入社年:2023年4月
バージョンアップとはなにか
システムのバージョンアップには、大きく分けて2種類あります。
1つ目はメジャーバージョンアップで、ほとんどのシステムの言語において1番目の数字が変わるバージョンアップです。
メジャーバージョンアップでは機能追加や大幅な改良が行われます。
Ruby 2.0.0(2013-02-24)
Ruby 3.0.0(2020-12-25)
2つ目はマイナーバージョンアップで、ほとんどのシステムの言語において2番目の数字が変わるバージョンアップです。
マイナーバージョンアップでは機能追加は少なく、主に不具合の修正やセキュリティの向上が行われます。
直近では1年に複数回のマイナーバージョンがリリースされています。
Ruby 3.1.0(2021-12-25)
Ruby 3.2.0(2022-12-25)
Ruby 3.3.0(2023-12-25)※2024/4時点で最新バージョン
バージョンアップの必要性
バージョンアップはシステムの安定稼働に欠かせない業務になります。
バージョンアップの必要性として下記の3点が挙げられます。
セキュリティ対策
古いバージョンには、脆弱性が発見される可能性があります。
脆弱性を放置すると、システムへの不正アクセスやデータ漏洩などの重大な被害につながる恐れがあります。
最新バージョンでは、こうした脆弱性が修正されているため、セキュリティ対策の観点からもバージョンアップが重要です。
新機能の利用
最新バージョンでは、新しい機能が追加されます。
これらの機能を活用することで開発効率の向上や、ユーザーにとってより魅力的なアプリケーションの開発が可能になります。
バグ修正
古いバージョンには、バグが存在する可能性があります。
バグによって、アプリケーションの動作が不安定になったり、機能が正しく動作しなかったりする場合があります。
最新バージョンではこうしたバグが修正されているため、安定性と信頼性の向上に役立ちます。
バージョンアップはどのくらいの頻度で行うべきか
バージョンは常に最新であることが望ましいですが、自社に情報システム部門がなく対応が困難であることや、毎年のように外部に委託するのは費用や手間がかかってしまうという課題もあります。
しかし、サポート期間を過ぎてしまった場合はセキュリティリスクが高まるため、バージョンアップが必須です。
バージョンのサポート期間とバージョンアップの推奨頻度について解説します。
LTS (Long-Term Support) バージョン
LTSバージョンとは通常のバージョンよりも長い期間サポートされるバージョンのことを指します。
LTSバージョンは下記の3つになります。
Ruby 2.7.2:LTSサポート期間は2021年12月25日~2025年12月31日
Ruby 3.1.2:LTSサポート期間は2023年4月1日~2026年4月30日
Ruby 3.2.0:LTSサポート期間は2024年3月31日~2027年3月31日
また、通常のバージョンとLTSバージョンとのサポート期間の比較は下記のとおりです。
<メジャーバージョンアップのサポート期間>
通常:1年間
LTSバージョン:5年間
<マイナーバージョンアップのサポート期間>
通常:6ヶ月間
LTSバージョン:1年間
いち早く最新機能を利用したい場合は通常バージョンを採用することを推奨しますが、システムを長期的に利用する・システムの安定性を重視・最新機能が必要無い場合はLTSバージョンの選択が望ましいです。
EOL (End of Life)とメジャーバージョンアップ、マイナーバージョンアップの関係性
EOL (End of Life) とは、ソフトウェア製品のサポートが終了することを指します。
EOLが切れるとセキュリティパッチの提供が終了し脆弱性が発見されても修正パッチが提供されない・問題が発生しても技術サポートを受けることができないなど問題が発生します。
セキュリティリスクの面でEOLを迎える前にバージョンアップ(理想は最新バージョンへのアップグレード)をする必要があります。
直近ではRuby2.7やRuby3.0のEOLサポートが終了しており、速やかに最新バージョンへの移行が推奨されています。
移行が難しい場合はセキュリティ対策を徹底する必要があります。
バージョンの新旧と作業ボリュームの関係性
バージョンアップの際は、各バージョンの変更点の確認・必要に応じたコードの修正・動作確認といった業務が発生します。
現在のバージョンとアップデート後のバージョンとの世代差が広がるほど、この業務量は増えていき費用も嵩みます。
そのため、定期的なバージョンアップを考慮したシステムの運営が必要です。
バージョンアップ業務の流れ
バージョンアップ業務を行う際の流れを解説いたします。
システムによって多少の違いはございますが、基本的には下記の流れで業務を行います。
バージョンアップ計画の作成
はじめに計画を立てるため、下記の項目について明確にします。
・バージョンアップの目的と目標
・対象となるシステムとそのバージョン
・スケジュールと予算
・バックアップ計画
影響範囲の確認
バージョンアップの影響を受けるシステム、ユーザー、データなどを特定し、影響を受ける業務への影響度を評価します。
テスト環境の準備
次にテスト環境の準備を行います。
バージョンアップ後に再度ユーザーが利用する際にトラブルがないよう、下記の項目について慎重に検討します。
・バージョンアップ対象のシステムをテスト環境に構築
・テストデータの準備
・テスト計画の作成
バージョンアップ作業
バージョンアップ作業では大きくは下記項目に分けて実施します。
・バックアップの実施
バージョンアップ前のシステムとデータのバックアップを取ります。
・新バージョンのインストール
新バージョンのソフトウェアをインストールし、インストール手順書に従って作業を行います。
・設定の変更
新バージョンに合わせて必要な設定を変更します。
・問題の修正
テストで発見された問題を修正します。
・最新バージョンでのシステム運用開始
テストで問題が無いことが確認された後に新しい機能や操作方法についての説明をユーザーへ行います。
VAREALでは
VAREALでは今まで数多くのシステムのバージョンアップを実施した実績がございます。
弊社の強み・特徴は下記のとおりです。
豊富な経験と実績
設立当初から多種多様な業界のお客様のシステムのバージョンアップサービスを提供して参りました。
弊社の経験豊富なエンジニアがお客様のシステムを丁寧に診断し、最適な移行プランをご提案します。
スムーズな移行とリスクの最小化
事前準備から移行後の運用まで、一貫したサポートを提供します。
お客様の開発環境に合わせた移行プランを策定し、リスクを最小限に抑えます。
バージョンアップ後のサポートも充実
移行後の動作確認や運用サポートも万全です。
バージョンアップに伴う新たな機能の活用方法についても、ご提案します。
最後に
今回はバージョンアップの必要性について解説いたしました。
「現在運営しているシステムがどのバージョンであるのかについて把握しておらず、調査を依頼したい、調査後に必要であればバージョンアップを依頼したい」といったように、全て丸投げしていただくご依頼も対応可能ですのでお気軽にご連絡ください。
また、弊社ではシステムコンサルティング・UI/UXデザイン・ソフトウェア開発・AI開発/データ基盤構築、開発後の運用保守までワンストップでご支援可能ですので、なにかお役立ちできることがございましたら下記リンクよりお問い合わせくださいませ。