Webデザインを行う上で重要な要素として「UI(ユーザーインターフェース)」や「UX(ユーザーエクスペリエンス)」があります。
ユーザーの目に留まり、成果につながるWebサイトを作るためには、UI・UXとは何かを理解することが重要です。
今回は、UI/UXの基礎知識をはじめ、それぞれの関係性、参考にしたい事例などについてご解説します。UI・UXを改善して、ユーザーに届くWebサイトを目指しましょう。
UIとUXの関係性
UIとUXは、言葉の形や語感が似ているため混同されることも少なくありません。
しかし、それぞれの意味は以下のように異なります。
- UI:ユーザーとの接点をつくる仕組み
- UX:ユーザーが得る体験
雑誌を例にすると、UIは「紙面」そのもので、UXは「雑誌を見るときに得られる体験や感想」といった意味になります。
多くの場合、UIとUXはセットで扱われており「UIはUXに含まれる要素のひとつ」という関係性があります。
UI(User Interface)とは
UIとは「ユーザーとの接点をつくる仕組み」です。
WebにおけるUIは、ユーザーの目に触れる情報の全てを意味します。
WebにおけるUIの例は、以下の通りです。
▼UIの例
- Webサイトのデザイン・使用フォント
- アプリケーションのデザイン・操作性
- パソコン・スマートフォン・その他デバイス本体の見た目
また、UIには「CUI(Character User Interface/キャラクターユーザーインターフェース)」「GUI(Graphical User Interface/グラフィカルユーザーインターフェース)」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
CUI(Character User Interface)の特徴
CUIとは、コンピューターを文字だけで操作するUIです。
あらかじめ決まっている文字(コマンド)をキーボードで入力して、操作を行います。
CUIの操作画面は、黒い画面に文字のみ表示している状態のため、操作の正誤が分かりにくいという特徴があります。
▼CUIの例
- Windowsのコマンドプロンプト
- Macintoshのターミナル
CUIは、主にプログラミングやコーディングの場面で使用されるため、あまり一般的ではありません。
GUI(Graphical User Interface)の特徴
GUIとは、ユーザーの操作性を重視したUIです。
アイコン・選択ボタンといった部品(ウィジェット)を配置することで、ユーザーに向けた操作指示が明確になり、視覚的な操作が可能になります。また、キーボードだけでなくマウスやタッチパネルでの操作も可能です。
▼GUIの例
- Windows・MacintoshのOS
- スマートフォンのアプリケーション
GUIは操作性がよく、コマンド入力といった専門的な知識が不要のため、一般的なWebサイトやアプリケーションなどに幅広く使用されています。
参考にしたいUIの事例
優れたUIデザインは、見た目の美しいだけでなく、見やすさ・使いやすさも兼ね備えています。下記では、参考にしたいUIの事例を実際のWebサイトからご紹介します。
ECサイトのUIにおける事例|Amazon
AmazonのUIは、他のECサイトと比べて、サービスの見やすさ・使いやすさが非常に優れています。Webサイトをシンプルなデザインで統一しているため視認性が高く、どのようなサービスを提供しているのか分かりやすく示されていることが特徴です。
また、欲しい情報まで簡単に辿り着ける仕組みのため、ユーザーがサービスを利用しやすい環境といえます。視認性だけでなく、操作面においてもユーザーを意識したUIデザインは魅力的です。
文字のUIにおける事例|神戸女子大学
神戸女子大学の公式サイトでは、「タイポグラフィ」という文字を生かしたデザイン手法を取り入れています。
Webサイトに文字を生かしたデザインを取り入れているため、写真・文字を豊富に使用しつつも、分かりやすくすっきりとした画面構成が特徴です。
また、読みやすいフォントを使用して、文字サイズでメリハリをつけることで、まとまりがありつつも、ユーザーの印象に残るUIデザインになっています。
UX(User Experience)とは
UXとは「ユーザー体験」と訳され、「プロダクト・サービスからユーザーが得られる体験」のことを意味します。ユーザーにおける満足度や、Webサイト・アプリケーションなどの評価につながる部分となります。
WebにおけるUXには、以下のようなものがあります。
▼UXの例
- 「Webサイトの文字が読みやすい」と感じる
- 「サービスのクオリティが高い」と感じる
- 「誰でも使いやすいデザインだ」と感じる
このように、ユーザーがWebサイトやサービスに対して感じたことをUXといいます。ユーザー体験の満足度を向上させることで、Webサイトやサービスに対する評価アップにもつながります。
参考にしたいUXの事例
良質なUXは、機能面やデザイン性だけでなく、ユーザーを意識した工夫によって生まれます。ここでは、参考にしたいUXの事例を、実際のサービスから2つご紹介します。
コンセプトが一貫したUXの事例|Apple
AppleのWebサイトは、ヘッダーにナビゲーションが固定されており、ユーザーが目的のページを探しやすいシンプルな設計が特徴です。
また、Webサイト内にはさまざまなキャッチコピーがちりばめられていて、シンプルながらも説得力があり、ユーザーの購買意欲を刺激するよう工夫されています。製品の写真を大胆に使用して、製品のスタイリッシュさがひと目で伝わるデザインも魅力です。
メッセージアプリにおけるUXの事例|LINE
スマートフォン用アプリケーションのLINEは、従来のメールアプリケーションよりも優れたUX設計が施されています。
なかでもポイントは、子どもから大人まで幅広い世代を対象とした、誰でも使いやすいようなデザインです。複雑な操作は必要なく、会話の流れを1つの画面で見ることができるため、視覚的に理解しやすい画面構成となっています。
また、言葉のやり取りだけでなく、イラストで気持ちを伝えるスタンプ機能によって、顔が見えない状況でのコミュニケーションの幅も広がります。このような要素から、「誰でも気軽に会話を楽しむことができる」というユーザー体験につながっています。
UI/UXの改善手順
ユーザーの目に留まるWebサイトにするためには、UI/UXの定期的な改善を行いましょう。
ここでは、UI/UXの改善手順をご紹介します。
①Webサイトの現状を把握
最初に、自社のWebサイトが抱える課題のピックアップを行います。
課題の発見に効果的な方法として、以下があります。
▼課題を発見する方法
- ユーザーテスト
ターゲットである一般ユーザーが実際にサービスを利用する様子について観察して、課題を発見します。 - ヒューリスティック評価
専門家が経験則(ヒューリスティック)を軸に評価して、UI上の課題を発見します。 - 閲覧データの収集
「Googleアナリティクス」のような分析ツールを利用して、ユーザーの訪問数・滞在時間といったデータを収集します。
これらを実行することによって、Webサイトの現状課題を把握できるようになります。
②現状分析による、根本的な原因の抽出
現状を把握したら、分析によってその原因を抽出します。
この時、UI/UXの両面において分析することが重要です。
▼Webサイトにおける原因抽出の例
課題例:記事の閲覧数が少ない
- UI面:記事に辿り着くまでの道筋が分かりにくい
- UX面:記事に目新しさがない
発見した課題に対して分析・原因抽出を進めることで、改善策を考える土台が整います。
③改善策の立案と実行
現状の課題に対して分析・原因抽出をしたあとは「どのように改善するのか」「適切な改善方法は何か」を具体的に考えて、改善策を練ります。
また、改善策を立案する際は、Webサイト改修に携わる人員や改修期間、予算などを事前に決めておくことが重要です。これらを策定することで、実行段階で改善策を進行できないといったトラブルを回避できます。
改善策を立案した後は、それに沿ってWebサイトの改修を実行して、よりよいUI/UXへと改善していきましょう。
④効果検証によるブラッシュアップ
改善策の実行後は、結果の検証を行います。「①で洗い出した課題が改善されているか」「よりよいUI/UXになっているか」といったことを一つひとつ細部まで検証して、他に改善が必要な箇所がないかユーザー目線で確認しましょう。
また、UI/UXの改善は一度きりではなく、何度も繰り返し行うことが重要です。ご紹介した一連の手順を繰り返すことで、常にユーザーの要望やニーズに対応できるようになり、UI/UXの質を向上し続けることができます。
UI/UXを改善するポイント
UI/UXを改善するにあたって押さえておきたいポイントがいくつかあります。
▼改善のポイント
- ユーザー像を明確化する
ユーザーの目的・ニーズを明確にして、自社Webサイトと照らし合わせることで、現状の問題やユーザーの不満点を抽出できるようになります。
2. 競合サイトと比較する
競合サイトとの比較により、自社Webサイト内の構成やサービスに関する弱みを発見でき、何を改善すればよいのかを把握できます。
3. ユーザー視点に立つ
UI/UXの改善は、ユーザーの利便性を高めて、満足してもらうために行います。改善策を検討する際は、常にユーザー目線で考えることが重要です。
以上のポイントを押さえて、よりよいUI/UXを目指しましょう。
コロナ禍におけるUIデザインの必要性
新型コロナウイルス感染症によって外出自粛の動きが強まり、対面からWebへとサービス需要が変化しています。これまで対面のみでビジネスを行っていた企業でも、オンラインを通じたサービス形態を取り入れる企業も増えてきました。
このように、オンラインを通じたサービス提供が求められるコロナ禍では、自社におけるWeb制作・Webデザインは重要な役割を持ちます。Webサイトは、自社の顔という役割も持っています。数多くの競合サイトから自社サイトを選択してもらうには、ユーザーが使いやすく、満足度の高いUI設計が必要です。
UIデザインの設計・改善をきちんと行うことで、UX(ユーザー体験)が向上して、売上にもつながることも期待できます。コロナ禍に負けないWebサイトを実現するために、ユーザー目線に立った機能的・魅力的なUI/UXを目指しましょう。
UI/UXを重視したWebサイトの相談ならVareal(バレアル)
Vareal(バレアル)では、デザイン思考を取り入れた独自のコンサルティングを行っています。「アイデア」「ノウハウ」「ビジネス戦略」という3つの視点からサービスの問題点を発見して、解決策を提供します。
また、デザイナーとして「Ruby技術者認定資格」所持者や「1級ウェブデザイン技能士」が在籍しているため、美しさだけでなく機能性を重視したUI/UXデザインが可能です。
医療系Webサービス「RareS.(レアズ)」や、IT系サービス「IT-ManagerSD(アイティマネジャーサービスデスク)」、イベントサービス「学研クリスマス&おとしだまウィーク」など、さまざまな業種での制作実績があります。
お客様とともにゴールを目指すパートナーとして、企画やデザイン、設計・開発、運用・保守を一貫して行っているため、「UI/UXに不安がある」といった方はぜひ一度お問い合わせください。
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